2月13日 生涯学習センターにて、暮らしの困りごと対策セミナーを実施しました。
約5名ほどの方がお集まりくださいました。
お集まり頂いた方から、「今のところ困ってはいないけど、後にその時がくるから。」と参加理由を伺いました。
昨年、当事務所から町内の皆様へのアンケートでご回答が多かった内容を元に、シリーズで行っているセミナーで、
第3弾シリーズ最終回。
今回のテーマ 家財整理について の内容を振り返ってみたいと思います。
講師は、神奈川新聞社 読者コミュニケーション局 販売部担当部長兼開発管理部 横森 敬未 さん
ん?なぜに神奈川新聞の方が?と思いませんか?
今、新聞購読者が減ってきていて、新聞社も多角的に事業参画していかねばならない状況だそうで、
読者サービスと社会貢献事業として立ち上がったとの事でした。
本文の最後の方に、
悪徳業者に引っかからない見分け方の参考になる内容もありますので、ぜひ最後までご覧ください。
家財整理について
【背景】
ひと昔前は、「家財整理(遺品・生前整理)は家族や親族の役目」と考える方がほとんどだったと思いますが、核家族化により、身内がカバーすることも容易ではない状況になってきている。
これまで不用品回収業者や便利屋が行う業務のひとつだったが、家財整理を専門に行う「家財整理専門業者」が増え、また、引っ越し業者やハウスクリーニング業者をはじめとするさまざまな業種からの新規参入も全国で急激に増えている。
【状況】
高齢者人口の増加が著しい。
高齢化率は、2000年の総人口の14%でしたが、2015年は約24%、2025年には26%を超えるとこが推計されている。
高齢者世帯の割合は、2000年は世帯全体の11.8%、2015年は20.9%、2025年は23.5%と推計。
特に注目したいのが、「高齢単身世帯の割合」が、2025年以降は高齢者世帯の半数を超え、その後も増え続ける見込みとなっています。
【事業内容】
さて、ここからは、「家財整理業者」の業務内容をご紹介していきます。
1:業務の中核的内容
- 家財の現金化 → 買取専門業者との連携(コイン、切手、コレクション品、宝飾品、家電など)
※着物、高級家具、マッサージ機は、ほぼ値段がつかないそうです。
※良い状態のつり道具、中国の墨、などは過去に高く売れたことがあるとか。
※切手は、郵便局では現金化できないので、買取業者や金券ショップで。
- 廃棄物処理、リサイクル → 一般産業廃棄物事業者との連携
- 衣料品等の寄贈(衣料品、靴、スポーツ用具など)→ 厚生文化事業団とNPOが連携した支援の確立
2:付加価値業務の内容 → 銀行、清掃事業者、弁護士、家屋解体事業者等との連携
- 不動産の仲介
- ハウスクリーニング
- 家屋の解体
- 形見分けの送付
- 特殊清掃
- 仏具等の供養(仏壇はタンス処理と同様、位牌は寺院で魂を抜いてもらう等)
【業務の流れ】
下見(買取可能品、リサイクル品の確認、廃棄物量・内容・経路確認)
↓
お見積り(廃棄物の量や内容に最適な車両や作業員数を決定)
↓
作業1(リサイクル品引き取り、買取整理・見積もり依頼)
↓
買取品の金額提示(買取価格見積もりのご報告)
↓
作業2(廃棄物搬出、清掃等)
【ワンポイントアドバイス】
- 業者さんの作業が入る前に、必ず、自分たちで保管するものなどを分けておく!また、へそくりなどの金銭も探し出しておく! 特に、トラックに載せてしまった後に、取り出してもらう場合、作業料金の負担が出てしまう恐れがあります。
(業者さん達は、業務として割り切って作業されることが多いので、アルバムや大切な着物などの大切な思い入れのものは先に保管が必要。また、隠されている金銭も宝さがしの如く見つけておきましょう)
-
冷蔵庫や洗面所、お風呂場などにある、お醤油ボトルや、液体洗剤などの液体の物は、事前に自分達で破棄しておきましょう。業者さんに依頼する場合、追加料金がかかる事が多いそうです。
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アスベスト処理は別途予算がかかる。
-
悪徳業者に依頼してしまうと・・・、不法投棄や、見積もり後に、作業工程で様々な理由により後から高額請求されるなど、トラブルことがある。
-
地域の行政サービスを利用する。
【悪徳業者やグレーな業者に気を付ける】
- 「家財整理業」を行う業者は、一般廃棄物収集運搬業務許可を取得しています。必ずその許可証をお持ちなのか確認させて頂きましょう。勇気をもって「見せてください」と言ってみましょう。
※家庭から出るごみを外に運搬するには、一般廃棄物収集運搬業務許可が必須です。このライセンスを持ってない業者は、家庭のごみを外に運搬してはいけません。(この資格を取得するのは、現在かなり難しいそうです)
(ちなみに、産業廃棄物収集運搬業許可は、事業で発生した廃棄物を収集・運搬する際に必要な資格)
- 買い取って販売するには、古物商の許可が必要。古物商の許可がある方に、遺品でリサイクルできるものを買い取ってもらいましょう。
- 遺品整理士:「一般社団法人遺品遺品整理士認定協会」が認定する民間資格。遺品整理について学ぶ講座を受講し、課題をこなすことで認定されます。遺品整理でお悩みの場合は、遺品整理士さんに相談されるのもよいかもしれません。
【家財整理業者さんに依頼する事例】
- 住んでいない相続された家や、実家を、貸したり売ったりするために依頼した。
- 生前整理のために依頼した(依頼主70代)。
- 家主であるご本人が施設に入居する事になり、自宅で過ごすことはもうないので、スムーズに相続できるよう依頼した。
- 引っ越しをするのに、荷物が多すぎる、または、全てを買い替えるので依頼した。
※家の中の家財を処分してもらう、更に家を解体しさら地にする、などどこまで業者に依頼するかで、金額がだいぶ変わってくる。
【まとめ】
- 家財整理を業者さんに依頼する場合は、資格を持った信頼できる業者さんに依頼する。
- 作業が入る前に、必ず大切な遺品などは分けておく。へそくりなどの金銭も見つけ出しておく。
- 水回りの水物のゴミは、自分達で処理する(追加料金の節約)。
- 地域の行政サービスに相談・利用する。
講師である横森さんの事業の役割は、「家財整理業者」と繋いでくださるとの事でした。さまざまな業者さんを調べておられるので、神奈川新聞さんにご相談されるのもよいと思います。
アンケートより、他に生活上の困りごとでは、
墓じまいについて、複数あるお墓を一つにまとめる等の方法、人形の処分について、などのお声を頂きました。
【感想】
筆者は40代です。今回の話を伺って色々考えてしまいました。
高齢者単身世帯が、これからますます増えていく。ご家族に、あとよろしく!という安心感は難しくなってきている現状を知りました。核家族化のゆく末を感じつつあります。多世代と暮らす重要性を改めて考えつつ、とはいえ少子化、生涯独身者も増えている昨今。高齢単身世帯がますます増えていくのでしょう。
これからどう生きるか、身の回りに本当に必要なものは何か、どこでどうしていきたいか・・・など想うと、、、あぁ~気が遠くなる・・・。「生前整理」って言葉は最近出てきましたが、現実的に考えていく必要がある。
さて、実際に「家財整理」を依頼する場合、いくつかの業者に依頼をし比べてみるなどをして信頼できる業者を探す必要がある。または、行政などを通じで紹介してもらいましょう。
山や川に不法投棄されるのは避けたいですし、後から高額請求されるなどのトラブルは避けたいです。オレオレ詐欺など様々な手口がありますから、みなさんの大切な財産をしっかり情報・知識を身に付けて参りましょう。
この情報が、少しでも皆様の情報の切り口にお役立ちできれば幸いです。