【町民アンケート集計結果】空き家・空き店舗活用1位は「気軽に食事ができるレストラン」

神奈川県山北町で、空き家・空き店舗の活用を通じた町の活性化に取り組んでいる「一般社団法人かながわ福祉居住推進機構」が2023年12月に実施した町民アンケート調査は、合計962人の方からご回答を得ました。ご協力いただいた町民の皆様に御礼申し上げます。
アンケート調査の結果を受けて、当法人は、駅前商店街や近隣にお住まいになっている方々の生活課題の解決を第一優先として、空き家や空き店舗を活用した地域活性化に取り組んでいきます。
簡単ではありますが、アンケートの集計結果を紹介します。
(※アンケート結果はこちらからご覧いただけます)

回答者の7割が60代以上

アンケートは、町内の3843世帯に配布。このほか、インターネットと当法人による直接の聞き取りで回答を得ました。

回答者の年齢構成は、60代以上が約7割を占める707人。世帯構成は「夫婦のみ」の世帯が多く、持ち家比率が高い傾向にあり、日常生活に車の運転が欠かせないことが分かりました。

また、地域の居住環境については、自然が豊かで治安が良いこと、祭りなどの地域行事が行われていることに好感を持っている人が多く、近隣の人たちとの関わりが居住環境への満足感に影響していることがうかがえました。
 一方で将来への不安については、高齢者や空き家が増加していること、車の運転ができなくなった時に日常生活の利便性が失われることを不安視する声も寄せられました。

以下、設問ごとの回答状況を紹介します。

空き家活用1位は「気軽に食事ができるレストラン」

空き家や空き店舗、空き地を住宅以外で活用することとなった場合、どのような場所になって欲しいですか」という設問では、最も多く「なって欲しい」「ややなって欲しい」と答えたのが「気軽に食事ができるカフェやレストラン」(734人)でトップ。このほか、僅差で「お弁当やお惣菜を販売するお店」(731人)、「高齢者の福祉サービス拠点」(730人)と続きました。

一方、「ややなって欲しくない」「なって欲しくない」と答えた活用内容のトップ3は、「シェアハウス」(317人)、「リモートワークができる協働オフィス」(253人)、「移住者用の体験施設・ゲストハウス」(227人)でした。

自然環境に「満足」、買い物の利便性は「不満」

居住環境についての設問では、全ての項目で「まあ満足」と回答する人が多く、「総合評価」も548人が「まあ満足」と回答しました。
その中でも最も多く「満足」「まあ満足」と回答したのが「緑、水辺などの自然とのふれあい」(849人)。続いて「治安、犯罪発生の防止」(724人)、「近隣の人たちやコミュニティーとの関わり」(646人)などでした。

一方で、最も多く「多少不満」「不満」と答えたのが「日常の買い物などの利便性」(534人)で、続いて「医療・福祉の利便性」(516人)、「まわりの道路の歩きやすさ(傾斜や段差)」(487人)などでした。

「高齢者の増加」に不安…

「山北町の10年後を考えたとき、不安に感じることはありますか」という設問で、「やや不安」「不安」「とても不安」と答えたのは「高齢者の増加」が最も多い872人。このほか、「日常生活の利便性」(841人)、「空き家や空き地の増加」(835人)、「住宅の老朽化」(834人)などが続きました。

自由記述欄に384人が回答

自由記述欄には384人の方々にご意見を寄せていただきました。
この中で最も多く寄せられたご意見は「交通の利便性の向上」に関する内容で、172件でした。
内容を紹介すると、「車に乗らなくなった時どうするか、山北に住むにはこの点が一番の問題です」「高齢者増に対応した乗り物の抜本的な見直しと新たなシステムの確立を切にお願いしたい」「もちろん自助努力はしていますが、車の免許を返納したらどうなるのか」といった切実な悩みが寄せられました。

このほか、「買い物・商店の充実」に関するご意見が69件、「生活支援の充実」に関するご意見が58件など、多岐にわたる要望・提案をいただきました。