【特徴的事例研究会】「古いものを残すのが町づくりのポイント」/NPO法人「越谷市住まい・まちづくりセンター」の若色代表理事が講演

神奈川県足柄上郡山北町で「山北空き家福活(ふっかつ)プロジェクト」を進めている一般社団法人かながわ福祉居住推進機構は、他自治体の空き家活用の取り組みを学ぶ「特徴的事例研究会」を定期的に開催しています。

12月11日には、NPO法人「越谷市住まい・まちづくりセンター」の若色欣爾(わかいろ・きんじ)代表理事をお招きし「越谷市の商店街の空き家活用の取り組み-旧日光街道の空き店舗の活用-」と題して講演をいただきました。

「古いものを残すのがポイント」

越谷市は埼玉県南東部に位置し、人口は約34万3千人。
かつては、
日本橋から日光までをつなぐ日光街道の宿場町「越ケ谷宿」として栄えました。
ただ近年は開発が進む中でその景観は失われつつあるといいます。

若色さんたちは2013年、「地域の原風景を文化と共に次世代につなぐ」という思いから「越ケ谷蔵のある街づくりプロジェクト」をスタートしました。
その第1弾として、地元企業の株式会社「中央住宅」が「油長内蔵(あぶらちょううちくら)」という蔵を「曳家工法」と呼ばれる技術で移動させて改修。現在は「まち蔵Cafe」や地域住民のコミュニティースぺースとして活用しています。

改修された「油長内蔵」の外観と内観(「特徴的事例研究会」配布資料より抜粋)

その後、店舗兼住宅を改修した子ども食堂「ぽらむの家」、120年の歴史を持つ古民家を改修した複合商業施設「はかり屋」、カフェや多目的スペースとして活用されている「糀屋」(国登録有形文化財)を次々と開店していったそうです。

複合商業施設「はかり屋」の外観(「特徴的事例研究会」配布資料より抜粋)

若色さんは「人は古い建物に愛着と郷愁を感じる。まちづくりは古いものを残すのがポイントで、そうすることで人が集まる」と話します。

また、今後の展開として「こしがや街かど博物館構想」と題して、地域に点在している蔵や古民家などの歴史的建造物を一体的に活用する構想を市に提言しているそうです。

若色さんたちの取り組みはこちらの動画からご覧いただけます。